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船曳 鴻紅 (ふなびき こうこ)
船曳 鴻紅 (ふなびき こうこ)
(株)東京デザインセンター 代表取締役社長
愛知県立芸術大学 客員教授、卯辰山工芸工房 講師
専門分野 : デザインプロデュース、デザイン評論、地場産業開発、インテリアデザイン
URL : http://www.design-center.co.jp

東京大学社会学科を卒業。文化人類学者の夫と共に太平洋の未開地を含めた多様な文化を経験し、イギリスから帰国後は二男二女の子育てをしながらオックスフォード大学への留学プログラムを設立した。1992年に日本初のインテリア・マートとしてオープンさせた東京デザインセンターは、欧米を中心とする世界のインテリア・ブランドが集積した建築空間デザインのメッカとなっている。グッドデザイン賞(Gマーク)の審査委員を長年つとめ、現在は日本全国の地場産業の活性化のため、海外を中心とする販路・市場開拓を促進する活動を行う。

「遊び心と実用性」

まずデザインには、「遊び心」があふれていなければなりません。既成概念や制度にとらわれない自由な発想です。もし、市場に流通する型通りの商品を作っていればよいのなら、最初から「デザイン」という新たな価値創造は必要ないことになります。ところで一方、デザイナーの自由な発想力は、社会や市場がまず求める「実用性」といったものに、必ずしも向けられているわけではありません。社会が求めるものを作ろうとまじめに努力すればするほど、それは本人の独自性を生かすという方向とどこかで食い違ってくるはずです。マーケットの向こう側には、いろいろな人、いろいろな環境が存在しています。それらに応える何かを見いだすには、とてもたくさんの情報チャネルと幅広い知識が必要です。私は、デザイン・コンサルティングとは、そのようなデザインとニーズとのギャップを発見して企画や開発に方向性を与えること、そしてデザイン・プロデュースとは、広い視野から最終的に社会的資産として残すべきものを判断し、生み出す作業であると思っています。

略歴

埼玉県川越市生まれ
1972年 東京大学文学部社会学科卒業
1989年 株式会社東京デザインセンター設立、取締役副社長就任
1991年 英国Oxford大学Rewley House Association, Japan代表就任
1994年~ 株式会社東京デザインセンター代表取締役社長
1994年 JETRO海外商品発掘専門家(欧州インテリア)
1996~09年 通産省認定グッドデザイン賞(Gマーク)審査委員
1998年~ 日本デザインコンサルタント協会代表幹事
2000~01年 Gマーク審査委員会副委員長
2002年~ 金沢卯辰山工芸工房講師
2003~05年 アセアンGマーク審査委員
2007~09年 経産省sozo_comm 広報・プロモーション戦略ディレクター
2009年~ 一般社団法人日本デザインコンサルタント協会代表理事
内閣府行政刷新会議事業仕分け評価者
2010年~ 愛知県立芸術大学客員教授(デザイン専攻)

主な著書

「メイド・イン・ニッポン」(編著)

デザイン経営

デザインという観点から自分自身が最も深くコミットしてきたのは、経営するインテリア・ショールームビル「東京デザインセンター」です。ここでは、その東京デザインセンターの企画・開発と運営について語ることで、私のデザイン・マネイジメントについての考えの一端を知っていただきたいと思います。

ITの世界に「伽藍とバザール」という考えがあります。伽藍は、最初から精密に設計する建築様式、たとえば新OSを発表するまでは極秘に入念な検討を重ねるマイクロソフトのやり方を指していて、一方バザールは人々が自然に集まって形成する市場で、数千人の開発者が参加するLinuxコミュニティがその代表格です。東京デザインセンターは、この伽藍とバザールの双方良い面を取り入れています。開発段階では、日本初の本格的なインテリア・マートとしての伽藍を構想して、出展テナントの吟味をし、建築のプロフェッショナルの審美眼にも耐える質の高い建物を完成させました。ここまではパソコンで言えば基本OSソフトの構築にあたります。

次にエクセルのような発展形のソフトにあたるのが、インフォメーション機能やデザイン専門書店、レストランやホールの運営です。テナントの求心力を高めたり、一般来館者への情報発信の「場」として必ず必要なものです。そこでは外に開かれたバザール方式を採用し、自主企画だけでなく、外部からの参加者に施設やネットワークといったソフトをうまく使ってもらうことで、デザインセンター機能の心肺能力を高めていっています。

世界が変わっているのに、今現在ある市場を前提にデザインするのは、あたかもバックミラーで車を運転するようなものだと常々思っています。前方を見れば、次々と新しい景色が展開しているはずです。その時、私たちはより良いルートを想定し選択できる能力をもつ必要があります。それには、いつも新鮮な空気にふれていること、新しい風景に何かを感じる感応力をもつこと、自分自身が常に変化することに臆病でないこと、が重要なことではないでしょうか。そのためにも、バザール方式を取り入れて、アートやデザイン関係者の力が自ずと集結するような土壌を作っていくことを、東京デザインセンターの戦略としました。

経営コンサルタント、トム・ピーターズの言葉に「興味深いことには、デザイン戦略を成功させるために必要な究極の組織上の構成要素とは、人物そのものなのだ。しかし、それはある種の審美的な面での才能や実務能力といったものではない。有名なデザイナーや科学的な天才を雇う前に、経営者自身が個人的なリーダーシップを確立しなくてはならない。最終的にはデザインはこだわりの問題である。」とあります。私自身、経営者として身をもって経験してきたデザイン戦略構築のノウハウを、民間に限らず公的な機関においても参考にしていただけたらと思っています。

会社内容については、ホームページをご覧下さい。