石川県立図書館 家具デザイン・監修

図書館は単なる読書、学習空間のみならず、新しい情報収集やライフスタイルの体験や発信を誘発する開かれた文化装置です。
回遊式のスロープと階段状の大円形閲覧空間は刺激的で、車椅子でも平易にアプローチできるアクセスビリティーの高い空間です。
各回の書架が並んだ周囲にある閲覧エリアには、大テーブル、キャレル、ブース席、サイレントルームなどが用意されています。また文化交流エリアのラーニングスペース、研修室、食文化やモノづくりの体験スペースは、イベントとも連動ができ、老若男女の活気溢れる交流の場になることが意図されています。
外光が射し込む各窓辺の「溜まり」や「佇まい」には、来館者の目的にあったコーナーで好みの時を過ごせるよう、様々な居場所を提供しています。椅子の選定においては、エポックメーキングなものも含む既成のものや新しくこの図書館のためにデザインしたもの、シンボル的用途のものなど基準は一定でなく、全体の調和を考慮に入れつつ、智に向かう文化度の高い土地柄に相応しいオーセンティックな環境づくりを心がけました。図書館の基本である「本を楽しむ、知のために探す、本と共に考える」という行為が豊かになるよう、使う視点で選んだ約500席の様々な椅子が用意されています。
館内は東西南北のエリア毎に加賀五彩を用いた色分けがされていることから、家具も各エリアと同系色の色彩となるよう個々の張地を選定することで、エリアとしての統一感を生むよう工夫しています。好みの場所を探してください。

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